EVモータ、減速機における高回転振動計測
NVHには24 bitの解析分解能が必要と言われています。 6000rpm、100波の歯車計測を例にすると、6000rpm=100(回転/秒)Hz,100回転/秒X100歯/回転=10,000Hz(10,000歯/秒)毎に1歯が接近します。
典型的なNVH用FFT解析装置のMax. Sampling周波数は102.4kHz の為、100kHz÷10kHz=10 ⇒1歯(3.6°)に対して分解能は3bit強しかなく回転振動解析には不適合です。
NVH用FFT解析装置のタコカウンターはSamplingが6.4MHzと速いのですが、1点計測のみ/回転のサンプリングの為、6.400kHz÷10kHz÷100歯=6.4 であり、同じく約3bit分解能でしか解析できません。
Rotec 12.3GHzの場合、1歯(3.6°)に対し12.3GHz÷100=1.23×108≒2の17乗、17bitと何とかNV解析を可能にする分解能を保持できます。
回転振動計測特有の計測・解析手法
(その他)
4. 回転振動計測ではノイズが多々発生します。それらを位相シフトしないフィルター機能で排除します。位相がシフトすると、それが角度変動のエラー成分となります。
5. 次数解析にて問題ある成分を発見したら、右グラフのように必要な成分のみを抜き出し、時間波形として表示します。また、ノイズ成分のみを削除します。
6. 高分解能計測と、各種フィルター機能により通常の解析では見えなかった問題の原因となる信号を発見します。
低回転での回転変動解析
風力発電、エンジン、モーター始動時の低回転時の計測、解析が可能です。サンプリング間にて最大40bitまでカウントします。2の40乗=1.1×10の12乗ですので、カウンター周波数12.3GHzで割ると、89秒です。この間に次のトリガーが入るような遅い回転でも計測します。 20枚の歯車を例に取れば、360÷20÷89=0.2°/秒≒0.03rpmの低回転まで計測できます。
燃焼エンジンの動弁計測・解析_排出ガス規制対策
エンジン出力、燃費向上の為、正確に動弁リフト量、タイミング(X軸:回転角、Y軸:リフト量)を計測します。 トラック・船舶等の大型商用エンジンの排出ガス法への対策として効果的であり、高回転エンジンのリフト量計測も可能です。 エンジン燃焼時の計測では、バルブガイドに高温で変位計測可能なMR磁気センサーを埋込み、エンジンヘッドに挿入します。
Measurements on valvetrain | Rotec (rotec-munich.de)